稲佐の浜 〜国譲りの砂浜〜 (2019.9.5)

今でいうこの日本という国が、高天原の神々に譲り渡された場所がこの稲佐の浜です。
それまで大国主命(オオクニヌシノミコト)が治めていた地上の葦原中国(アニハラノナカツクニ)を見た天上の高天原の神々が、その実り豊かな大地を自分たちのものにしたいと思い、あの手この手で大国主命に"国譲り"を迫りました。
ですがオオクニヌシはのらりくらりとその要求を避わします。やがて業を煮やした高天原の長・天照大神(アマテラスオオミカミ)は平和裏に話し合うことをあきらめ、高天原最強の神・建御雷神(タケミカヅチ)を遣わして力技に打って出ることにしたのです。

この稲佐の浜に降り立ったタケミカヅチは十束剣を逆さにひっ立ててその剣先の上にでんとあぐらをかいて腕組みをし、オオクニヌシに対し強引に

「この国を譲れ!YESかNOか!」

と迫ります。
超強引コワモテ荒振神には恐れをなし、高天原の本気を悟ったオオクニヌシは、葦原中国の行く末を2人の息子に託すことにします。すると長男はアッサリと高天原の神に服従することを誓い、次男はタケミカヅチに力比べを挑むもコテンパンにやられたうえに逃走し、諏訪湖でタケミカヅチに捕まって降伏してしまいます。
こうなっては是非も無し。オオクニヌシはタケミカヅチに対し、高天原の神が住むのと同じくらいの大きな神殿を立ててくれればそこに隠遁することを誓います。
そうして立てられた神殿こそが出雲大社であり、かくして国譲りがなされたのでありました。


やっと着いたぞ

ってことで訪れた稲佐の浜なんですが、看板を見つけて車を停めた瞬間、体に電流が走ったようなが震えが来てしまいました(><)


稲佐の浜きたーーーー

そんでもって海岸のちょっとした防砂林を抜けた先に白い砂浜を見たときは、思わず「やったー!」と叫んでしまいましたw


これがやりたかったw

アタシは稲佐の浜に来たら、まずはココとチップにこれをやって欲しかったのですよw ええ、国譲りの神話の再現を(笑)稲佐の浜を訪れて、震えて叫んだその次は、笑顔になっておりましたw


ここが稲佐の浜だけど・・・

こうして国譲りの再現をして大満足したところですが、よくよく考えると・・一つの物凄い不安に襲われてしまったのです。いったい何がそんなに不安だったのかと言うと、そこにあるいかにもな大岩なんだけど、果たして本当にそこが国譲りの場所だったのかと。
いややっぱ、普通は稲佐の浜にまつわる解説板を抜けた先にこんなものがあれば、誰もがそこが神話の場所だったと思いますよね? でもでもでも、実際のところ、あの大岩の近くにはそんなことが書いた立て札の一つも無いのですよ・・・
そういう訳で慌ててその場でスマホを取り出してググってみたところ・・・


やっぱ他にあるじゃんかYO!

ほーらやっぱり、この砂浜の裏手に、国譲りが行われた場所と伝えられている屏風岩って場所があったんですよ。てことで早速行ってみましたよその屏風岩に。


こっちにはちゃんと立て札があるな

うーん・・・でもアタシ的には、前に読んだ子供向け古事記の絵本に書いてあったように、やっぱり海がすぐそこの砂浜にタケミカヅチがずっしり構えていた方が絵になると思います。
という訳で、いちおこっちでもココチップに国譲りの再現をしてもらったところでありますが、アタシ的国譲りの再現シーンはさっきの海の大岩の方を正式採用しようと思いますw

なるほどなあ・・・歴史の伝承捏造ってのはきっとこんなふうにして行われていくのですね(^^;
「こうあるべきだ!」「こうにちがいない!」という思い込みが歴史を捻じ曲げていく・・・きっとこのようなことが沢山あるのでしょうね。
それから日本神話の聖地に来ていつも思うことを、やはりこの稲佐の浜においても同じことを思わされてしまいました。
いつも書いていることですが、なんで日本ではこういう神話の聖地が大事に整備されていないのでしょう? 国譲りというこの日本という国の成立の根幹を成す神話の聖地だというのに、案内看板は最初の写真にある古びたヤツだけ。屏風岩についても気付かない人はぜったい気付かないような場所にひっそり隠れているのですから・・・
そうそう、最初にアタシが国譲りの場所と勘違いしたあの大岩は、国譲りとは何の関係もない言われの弁天岩っていう岩だそうです。
でもでもでも、やっぱりあの大岩は国譲り神話的にはすんごく絵になる場所だと思うんで、アタシとしてはあの場所にタケミカヅチの像を作ったり、あるいは神話の再現ゴッコができるように(笑)逆さ剣の台座でも作っておいてはどうかと思うのですがいかがでしょうかねw


※出雲大社に続きます。


稲佐の浜
島根県出雲市大社町杵築北稲佐


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