諏訪大社 〜なぜこんな所まで?〜 (2013/11/16)

日本という国が生まれるずっとずっと昔のこと…高天原の神々が下界に広がる大地、葦原中国(あしはらのなかつくに)をふと眺めてみると、いつの間にやら大国主命(オオクニヌシノミコト)なる英雄が、出雲の地に立派な国を作っているではありませんか。
それを見た高天原の神々は、その国を自分たちのものにしたくなり、大国主命に対して、
「その国とてもイイ感じだから自分たちに譲ってくんない?」
などと、いきなり無茶ぶりもイイところの使者を遣わしました。
大国主命からすれば、
「いきなし何言ってんだコイツら?バカ言ってんじゃねーよ」
と思ったことでしょうが、なにぶん相手は高天原の神々です。そう邪険に扱うことはできません。大国主命はのらりくらりと要求を避わすこととしました。やがていつまで経っても葦原中国が手に入らないことに業を煮やした高天原の神々は、ついに力ワザに打って出ることにし、高天原の最強神・タケミカヅチを遣わして恫喝することにしたのです。
大きな剣を逆さに立てて、その切っ先にドンとあぐらをかいた高天原最強神を見た大国主命は、コイツはさすがにヤバいと思い、とりあえずは息子の意見を聞かなければ何とも言えないなどと時間稼ぎをしようとします。すると武闘派で鳴らす大国主命の息子・タケミナカタは、冗談じゃねえとばかりにタケミカヅチに力比べを挑むのですが、まんまと返り討ちにあってしまいます。此は敵わじと逃げ出したタケミナカタをタケミカヅチは何処までも追いかけて行き、とうとう追い詰め封じ込めた場所こそが、この諏訪の地(長野県中央部)なのです。


タケミナカタよ安らかに

諏訪大社は諏訪湖を囲むように4つの社から成り立っており、特にどれが格上格下という区別も無いそうです。きっとタケミナカタは諏訪湖に封じ込められて、それを囲んで4つの社が出来たのかななどと思ったのですが、特にそういう訳でもないようです。
でもやっぱり、神話の経緯を考えるとそうじゃないかと思うんですけどねえ…


でも下社の神は・・・

今回アタシが訪れたのは、諏訪大社4社のうちの下社秋宮というところです。でもウチに帰ってきてから調べてみたところ、残念ながらタケミナカタを祀っているのは上社の方で、アタシが行った下社の方に祀られているのはタケミナカタの奥さん・ヤサカトメなんだそうな(^^; こんなことならちゃんと調べて行けばよかったです(><)
もっともアタシは別にタケミナカタのファンという訳でもありませんので、それはそれとして良しとしておきますか。もしまた諏訪の地を訪れることがあったのなら、今度はタケミナカタを拝んで来ることとしましょう。
そうそう、その後、出雲の地と大国主命がどうなったか?についてご存知ない方は、出雲大社の巻をお読みください。
それにしても…出雲の神様が逃げに逃げた先が、なんでこんな遠く信濃の山奥なのか、考えてみるとめちゃ不思議ですよね。タケミナカタはいったいどういう経緯でこの諏訪の地まで来たんだろ?タケミナカタはタケミカヅチにどんな目に遭わされたんだろ?と考えれば考えるほど不思議な気分になってきました。
ともあれ、タケミナカタは現在は、きっとこの美しい諏訪湖の底に眠っているのです。いかに封じ込められたにしても、水も空気も綺麗なこの信濃の地で、安らかに過ごしていて欲しいものです。


湖の底には?

ちなみにこの写真は諏訪大社下社秋宮の裏手にある小山から撮った写真で、中央部の森が諏訪大社、奥に広がるのは諏訪湖です。
そうそう諏訪湖と言えば、武田信玄はその死に際して、「我が遺体は諏訪湖に沈めよ」と遺言したそうな。ということはあの広い湖の何処かに信玄の具足が沈んでいるのかな?などと想像したのですが、こうして諏訪大社の裏山から諏訪湖を見下ろしていたら、ふと別な想像をしてしまいました。


あの山から見下ろして

アタシだったら諏訪湖の固定に沈むよりかは、こうして諏訪湖を見下ろせる場所に墓を建てたいなあなんて、そんなことを思ったのですよ。だからもしかして、世間一般に伝わっている遺言の方は実はフェイクで、もしかしたら信玄の本当の墓はこの山の上にあるんじゃないか!?なーんて一人で勝手に想像して盛り上がっちゃいましたw
まあさすがにそんなことは無いでしょうが、でもきっと、信玄もこの丘の上から同じように諏訪湖を見下ろしたことはあるんじゃないかと思います。そんなふうに思えるくらい、この諏訪大社裏手の小山から見下ろした諏訪湖は美しかったんですから。


近くで眺めても綺麗です


諏訪大社下社秋宮 長野県岡谷市
長野自動車道岡谷インターから15分


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