本庄城・本庄繁長 〜これぞ郷土の英雄〜 (2013/3/16)

新潟と言えば、越後、越後の英雄と言えば上杉謙信です。でも・・・アタシは新潟市生まれの新潟市民なのですが、実はそれほど謙信ファンって訳でも無かったりします。いやもちろん、謙信のことは嫌いじゃないってか戦国大名の中では5番目くらいに好きではあるんですけどね。(・・・ってそれも微妙だな(^^;)
なぜアタシが越後人であるにも関わらず謙信にさほどの愛着が無いのかと言えば、謙信の居城・春日山城ってのがアタシの住む新潟市からは120キロも離れたところにあり、どうにも”地元の”英雄って感じがしないからなんですよ。実際のところ、この新潟市は謙信のお膝元の上越市とは違い、むしろ謙信にとっては厄介きわまる連中・・・揚北衆(あがきたしゅう)の勢力範囲に近かったのですから。
今日はそんな揚北衆の代表とも言える、本庄繁長(ほんじょうしげなが)の居城・本庄城を訪れてみました。それでは新潟県北部にある村上市を見下ろす臥牛山(がぎゅうさん)の上にあるこの城の写真と共に、そんな新潟県下越地方の英雄?本庄繁長のことを紹介してみましょう。


揚北の地にそびえる標高130mの山城

新潟県というか越後国は大きく分けて、南から上越、中越、下越の3地方から成り立っております。そのうち上越・中越までは謙信の支配力がバッチリ及んでいたのですが、下越地方の更に北部には揚北衆と呼ばれる豪族たちが群雄割拠していたのです。この揚北衆というのは血の気の多い連中で、何しろ本編の主人公・本庄繁長に至っては幼い頃に一族の者に父を殺された上に城を奪われてしまい、13歳のときにその仇を討って城を取り戻したなどというのですから・・・


雪国越後を実感させられる登山道

揚北衆は政庁たる春日山城からの監視が届きにくい為か独立志向が強く、中でも現在の新潟県北部・村上市のあたへんを治めていた本庄繁長はその傾向が顕著でした。謙信からの軍役を拒否してみたり武田信玄や織田信長の誘いに乗って謀反を起こしてみたりと好き勝手に暴れていたのです。


土塁と石垣

それでも繁長は何故かいつも謙信には許されておりました。綺麗サッパリ悪気無しの馬鹿で豪快な人間性が愛されていた説と、根回ししっかりな外交戦略で生き延びたしたたか者だった説の両方があります。でも確実に言えることは、鎮圧に来た謙信をも手を焼かせるほどの剛勇ぶりが評価されていたということに間違いはありません。実際、繁長は川中島の戦いなどで多くの武功を立てております。
こうして見ると、繁長は伊達政宗のローカル版のような印象を受けますね。なにしろ秀吉の天下統一が成った後、仲の悪い隣国で一揆を扇動したなどという疑いを持たれたこともあるくらいですし。


地方豪族の城にふさわしいこじんまり感

そんなプチ政宗とも言える繁長ですが、実は本家政宗と戦ったことがあったりします。関ヶ原の掃討戦にて政宗は上杉景勝の領土を掠め取ろうと出兵して来たのですが、景勝の国替えに伴って福島城を守っていた繁長に、首級千を取られるというフルボッコを喰らって敗走して行ったのでありました。


石垣は戦国期には無かっただろうな

どうですこの本庄繁長さん、なかなかどうして面白い人物でしょう。こういう人こそが、正に郷土の英雄と言ってもイイのではないかと思います。残念ながらこの本庄城のある村上市も、アタシの住む新潟市からは60kmくらい離れてはおりますが、それでも山越え谷越え120kmも離れた地の全国版英雄よりもずっと親近感が沸きます。


揚北の暴れん坊がいた本丸

なんでも村上市は、この本庄城改め村上城(江戸時代以降はそう呼ばれた)を観光スポットと売り出そうと結構ガンガっているようなのですが、この本庄繁長のことはあまり重視していないようです。案内看板などを見ても、城の歴史がうんぬん江戸時代は村上藩の政庁でなんたらかんたらとか、とにかく読んでいて面白くないものばっかりです。村上市ホームページの観光案内を見ても、本庄繁長の名前は全く出て来ておりません。


山の向こうは出羽の国

この本庄城、ハイキング散歩道としては調度イイ感じだし、土塁と空堀が残っていないのはちょっと残念ですが、復興された石垣もかなり本格的で見ごたえがあります。


城下町と笹川流れ


ちょっと一息w

このように山頂からの眺めもバッチリですし、村上の城下町についても、村上牛や三面の鮭と言ったグルメ特産品があります。あとはこの郷土の英雄のことを大々的に売り出せば完璧であろうに・・・村上市はもっとこの本庄繁長のことを重視するべきでしょ! こんなに凄面白い人物は郷土の貴重な財産です観光資源ですよ(><)


本庄城(村上城)
〒958-0835 新潟県村上市二之町

2022.12.11 ココ&チップとおさんぽして来ました☆

★おまけ・村恭のクレープ

ちなみに、ちょっと一息wの写真に写っているのは、揚北近辺では有名な、村恭という店のクレープです。ココは揚北衆を支えたであろう岩船港の近くにある小さなケーキ屋さんなのですが、どうやら暴れ者な揚北衆の血は引いていないようで、何とも牧歌的のほほん平和な店でした。だってまず店に入っても、店員さんが誰もいなかったんですから(^^;

「すみませーん」
「クレープ買いに来ました〜」
「あの〜・・・」

ガラスケース内のみならず、せんべいやスナック菓子が取り放題に並べられている店内だってのに、待てど暮らせど叫べど店員さんが出てきません(><) こうなっては仕方無しです。なんと!アタシはガラスケースカウンターの内側まで入って行き、更にその奥の店内居住スペースまで乗り込んで行って、「お菓子買いに来たンすけどーーー!!!!」って叫んでしまいました(^^; するとワンテンポ遅れて遠くの方からかすかに、「はい〜すみません今行きますね〜」という声が聞こえて来ます。・・・が、そこから更に店のおばあちゃんが出てくるまでに、3分ばかしの時間を要することになるとは思いませんでしたね (^^;

「いやいやいやすみませんね〜」
「まあこんなのどかな町ですんでね〜」
「いっぱい待たせちゃったから、一個オマケしておきますね☆」
「まあ?これから臥牛山まで行かれるんですか。実はうちのじいちゃんも毎朝登っているんですよ!」

そんなこんなで人の良さ気な田舎のおばあちゃんの長話で、更に3分程のどかなひと時を過ごすことになってしまいましたw 是非とも本庄繁長にこの店を訪れて欲しいものですよw
さてさてこのクレープの肝心要のお味の方なのですが、とってもとっても美味しかったです☆ アタシが食べたのはイチゴと小倉、さくらの三種類なのですが、他にもブルーベリーやいちじく、マロンやチョコなど色んな種類があって、いつか全種類制覇してやりたいと思えるくらいでしたね☆

ケーキハウス村恭 
新潟県村上市 岩船港すぐそば


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