北条綱成・地黄八幡の旗 〜宝物との会話〜 (2013/10/5)

今から3年ほど前…アタシが戦国武将の中で1,2を争うくらいに大好きな北条綱成の使っていた「地黄八幡の旗」を見逃したという出来事がありました。(詳しくはこちらの真田宝物館のレポートをお読みください)
それから足掛け3年…アタシは真田宝物館にて展示品の入れ替えが行われる季節の変わり目に電話を入れ、
「次の入れ替えでは地黄八幡は展示されるのでしょうか?」
と聞き続けていたのです。もしかしたら職員の人には「またコイツか!」と思われていたかもしれません(^^; 
そうしてまた8月の末頃電話を入れてみたところ、なんとようやく!地黄八幡が10月5日より2ヶ月間、川中島公園にある長野市立博物館に貸し出されて展示されるというではありませんか(><) やったぞついに3年越しの夢が叶うときがキタ!!!! そう聞いたらもう居ても立ってもいられません。展示初日の10月5日に速攻出撃、博物館の会館30分前に川中島公園に来てしまいました。

博物館開園までまだ結構時間があったので、周りを散歩しておりましたが、やはり何処か落ち着きません。何しろ3年越しの夢がついについに叶うのですから。
この川中島公園には以前にも来たことがあったので新鮮味が無かったとはいえ、かつての大激戦古戦場を訪れたのにも関わらず、アタシの頭の中には川中島合戦のことなど微塵にもありませんでした。 イイから早く会館時間になれ!頭にあるのはただそれだけです。

そうしてついにやってきた会館時間の九時! 早速チケットを買い目当ての「山村に生きた武将たち」のスペースに早足で向かって行きます。ああもうすぐ地黄八幡に会える!!思わず「勝った!勝った!」と叫びそうになりましたよ。

写真は非公開です(^^;

キターーーーーー!!!!!! で、で、でけえ!そしてなんたる威圧感!!
アタシが生まれてこの方、何か「物」を見て、これほどまでに感動したことは無いような気がします。アタシはこの地黄八幡の前にそのまま釘付けとなり、ただただ惚け見とれの棒立ち状態となってしまいました。

この旗が関東一円を恐怖に震え上がらせたのか…関東最強クラスの猛将が使っていたホンモノの旗なのか…これを背にして綱成は「勝った!勝った!」と叫んでいたのか…

アタシの頭の中に、次から次へと綱成に対する想いが浮かんで来て、かれこれ20分くらいは旗の前にいたかと思います。この場所から離れたくない!ずっとこの旗を見続けていたい!マジでそんなふうに思ってしまいました。
アタシは以前から、博物館の類はあまり好きではないと書いてきたところでありますし、美術館などもいったい何が面白いのかサッパリ分からないという人間です。でもこの地黄八幡を見て初めて、美術品に見とれ釘付けになる人の気持ちというものが分かりました。
「私は・・・(彫刻と)2500年の時空を越えて会話を楽しんでいたのです。」これはアタシの大好きな白竜というマンガにあったセリフですが、アタシもこの地黄八幡とは、時空を超えて会話を出来たような気がします。
この長野市博物館での30分は450年の時を隔てた綱成の時代に想いを馳せた、なんとも至福の時間でした。

地黄八幡の旗
松代真田宝物館所有


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