宮森城〜栗の巣古戦場跡 〜俺ごと撃て政宗!〜 (2016.7.16)

伊達政宗大好きな筆者はかつて、政宗伝説の幕開けとも言える小手森城、復讐鬼政宗が攻めた二本松城を訪れたことがあります。詳しくは過去記事を読んでもらえたらと思いますが、簡単に説明すると、小手森城とは政宗が殺戮血祭りにあげた城です。で、その政宗の小手森城攻めを見てビビった畠山義継という豪族が政宗の父・輝宗を死なせるきっかけを作ってしまいます。それに怒った政宗が攻め立てた畠山一族の城が二本松城です。
筆者は3年前に、10km程度しか離れていないこの2つの城を同時に訪れていたのですが、ココ最近になってこの2つの城の間に政宗の父・輝宗が死ぬこととなった事件が起こった場所があることを知りました。これは政宗ファンなら絶対行かなきゃ嘘でしょうってかなぜ小手森城&二本松城に行くときによく調べて行かなかったんだって話ですよね(^^;
ってことで今更ながら改めて、この政宗の父が死ぬきっかけとなった事件のお話をしながらその場所を紹介させてもらいます。


近くには政宗関連の史跡がいっぱいありました(^^;

小手森城を撫で斬り血祭りに挙げた伊達政宗にすっかりビビった敵対近隣豪族の畠山義継は政宗傘下に下ろうとするも、領地の大半を没収するという過酷な裁定を下されてしまいました。困った義継は宮森城に隠居していた政宗の父・輝宗に仲介を頼むこととしたのです。


というわけでやって来たのが宮森城

畠山義継:
「お願いします輝宗様! 領地を半分も取られてしまってはオマンマ食い上げです! なんとか子息・政宗公に、もう少し領地を残してくれるようとりなしてください!」

輝宗:
「ふむふむ。義継様の言われるのも最もなこと。むやみに厳しいことばかりしていたのでは周りに余計な敵ばかりを作ってしまい、政宗のためにもなるまい。よかろう。この件、どうか輝宗にお任せください。」

義継:
「かたじけのうございます。」


来てみて良かった宮森城w


土塁もこんな感じに残ってます☆

こうして輝宗と義継は杯を酌み交わし、ヤンヤの宴会騒ぎとなりました。
やがてそれもお開きとなり、輝宗は義継を城下の門まで見送りに行くと・・・


ひっかかったな!

なんと!義継は突如として輝宗に刀を向け、

「やはり政宗のことは信用できん! キサマのことを人質に取り、ワシの領地とキサマの命を交換条件として政宗に突きつけてやるわ!」

などとトンでもないことをのたわまったのです!

そんな冗談のような知らせを受けた政宗が早速、宮森城に駆けつけてみると、正に義継に拉致られた輝宗が、刃を突きつけられながらジリジリと歩かされているところではありませんか!


こうして駆けつけたのが栗の巣の畔道

輝宗:
「政宗!ワシのことは構わん!この卑怯者をブっ潰してやれ! ワシのせいでお前の天下取りが遠のくくらいなら死んだ方がマシよ! ワシはあの世でお前が天下人にのし上がって行く姿をしっかり見届けてやるからな! さあワシを殺してみせよ政宗!」


このようなアニメやマンガにありそうなシチュエーションがマジで出現してしまったのです。これがフィクションの世界なら、何故かうまいこと人質が助かってしまうものなのですが、現実はそう甘くはありませんでした・・・

「ち、父上・・・・・・」

「どうした政宗!お前の器はその程度か? これしきの決断が下せなくては天下などは到底取れんぞ。ワシをがっかりさせるな!」

「・・・・・・鉄砲隊、かまえーい! 目標は・・・伊達・・・輝宗!! 撃てー!!!」

こうして政宗は自ら父を殺すことになってしまったのです。


父上の無念は必ずや・・・

しかもこの輝宗は、政宗にとっては特別な存在でした。病気で片目を失って以来、母にうとんじられた政宗に代わり、弟の小次郎を跡継ぎに押す一派が台頭する伊達家中において、政宗の力量をしっかと見切って若いうちに家督を譲ってくれた愛すべき父親だったのです。
父の尊い犠牲のもとに畠山義継を討ち取り、その死体を一度バラバラにしたものを更にもう一回繋ぎ合わせて晒し者にしてみた政宗ですが、その怒りは到底収まるものではありませんでした。

「次なる標的は・・・畠山が居城・二本松城!!! 全軍続けーーー!!!!」

〜二本松城の巻へ続く〜

という訳で今更ながら訪れた宮森城&栗の巣古戦場。3年前に小手森城&二本松城とセットで行っておいてればと思いそうなものですが、アタシ的にはこれはこれでアリかなあと思っております。新たな知識を得ることにより、二本松をもう一度訪れることが出来て良かったなって考えた方が楽しいですからね☆ 
これは史跡巡りに限った話ではないですが、行く場所のことを徹底的に調べ上げて余すことなく虱つぶしちゃうのってなんかつまらないと思います。後からふとしたきっかけで、実はその場所に更なる面白い場所があったことを知ったとき、「あのとき行っておけば良かったー!」って思うより、「またあの場所に行く理由ができたぞ☆」って思った方がイイじゃないですか☆
果てさて伊達政宗の足跡巡り、桜の名所二本松城×2、伊達政宗の足跡巡りパート2と、正味4回訪れたこの二本松・・・いつか何か、またまた訪れる理由を見つけることが出来たらいいなと思います。



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