将門塚 〜大地揺るがす守り神〜 (2013年6月3日)

源頼朝が鎌倉に幕府を開き、武家政権を確立させたのをさかのぼること250年も前のこと。板東武者の独立を夢見て立ち上がり、そして敗れ去った男がいました。その名を平将門といいます。なぜ故に板東武者は自治権を欲したのかについては、かつて源頼朝物語にて書いたところでありますが、それは決して、頼朝の時代に始まった話ではありません。その火種は遙か昔、平将門の時代には既にまかれていたのです。詳しい経過はいずれ、平将門物語を書きたいなとは思っておりますが、とにかく平将門の反乱と言うのも、その本質は源頼朝の鎌倉独立戦争と同じものでした。
・・・でも残念ながら、そこはやはりパイオニアの難しさというものでしょう。将門の反乱は失敗し、彼は謀反人として処刑されることとなったのです。もっとも将門は「謀反人」とは言ってもそれはあくまで現体制側の公家から見たものであって、東国独立を目指したその将門の開拓精神は武士たちの希望であり憧れでもありました。なればこそ、将門が葬られて1000年以上が過ぎた現代となっても、将門の首塚というものが東京ド真ん中に存在しているのです。


都心の第一等地

伝承によれば、反乱に失敗して下総の地にて平貞盛と藤原秀郷に討ち取られた将門の首は京に送られて晒し者とされたのですが、ある日その首は突如空を飛び上がり、江戸まで飛んできたとのこと。それがこの東京駅から徒歩10分の場所にある現在の将門塚なのです。


マジでビル街ド真ん中

最初に幕府を開いた頼朝も、足利尊氏も徳川家康も、この武家政治の一番星とも言える将門にはこの上ない敬意を抱き、この将門の首を祀った首塚を大事に守って来ました。

さすがに時代は昭和ともなると、もはや武士の世では無いんだし、いい加減この都心一等地のド真ん中にこんな古びた祠があるのはもったいないと、この将門塚を取り壊そうと言う動きが何度かありました。でもそんな工事を行おうとする度に、いつも原因不明の事故が起こってしまい、必ず工事は中止になってしまったそうな。


開拓者よ安らかに・・・

そんな将門塚は現在、東京駅前ビルディング林の中でひっそりと、東京の守り神として祀られております。
なおこの将門塚には、将門の首が帰ってきたということで、蛙の置物が所狭しと置き並べられており、必ず帰ってくる返ってくるとの御利益があるとされております。

将門塚
JR東京駅 丸の内中央口から徒歩10分

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