厩橋城 〜上杉謙信の年越し〜 (2012/12/31)

越後の竜こと上杉謙信は、関東管領の名にかけて生涯で10回以上、三国峠を越えて関東地方へと出撃しておりました。それも高速道路も新幹線も無い戦国時代のことです。謙信は遠征が長期に渡って冬に入ってしまうと地元越後に帰らずに、そのまま関東で年越しをしたことが何回かあったのです。今日はそんな謙信の関東での常連宿、上野・厩橋城(こうずけ・まやばしじょう)へと遠征して参りました。


三国峠を越えて

さすがに12月31日の越後・上野国境付近、すげえ雪です荒れてます。そりゃあ除雪車どころかアスファルト舗装の道すら無かった戦国時代の謙信が、三国峠を越えて国に帰るのを諦めるのもしょーがないなって思いますよ。暖房ガンガン焚いた車を運転しているアタシですらダルいと思ったくらいですから。


トンネルを抜けると・・・

越後と上野の国境にある全長10キロ!の関越トンネルを抜けた先はごらんのとおりの快晴です。いやマジで↑の場所から30分くらいしか走って無いんですよ(^^; 谷川岳を一つ挟んだだけでこうも違うものなんですね。そりゃあ謙信率いる越後軍団一行が関東に留まろうって気持ちもよく分かるってもんですよ。だって故郷の春日山城はこんな感じなんですぜ?


ってことで到着

謙信が何度か年越しをした上野の拠点・厩橋城ですが、その場所には現在、群馬県庁が建っており、遺構らしい遺構は殆ど残っておりません。・・・が、アタシのような古城マニアがこれを見ると、思わず笑みがこぼれてしまうのではないかと思いますw


みんな大好きなアレですw

そうですよこれぞTHE・土塁ですw 県庁所在地市街地ド真ん中ってか県庁そのものの周りになんと、こんな美しい土塁群が残っているってんですからね☆ 全国250万古城マニア土塁マニア感泣ものですよこれは(><)


大事にされておりますね☆

そんな土塁マニア(ってかそんなのいるのか?(^^;)の気持ちを推し量ってか、群馬県庁としてはこの土塁群を貴重な文化財として認めてくれているようです。土塁はしっかり大事に管理保護されておりました。


土塁の内側には・・・

・・・とは言ったものの、残念ながら群馬県庁全部が土塁に囲まれている訳ではありません。土塁のすぐ内側にある建物は、群馬県警本部です。城跡で一番の遺構らしい場所に治安維持組織を持ってくるとは、なかなか空気を読んでいますよ群馬県庁は☆


それにしてもイイ天気だ

かつてこの場所で正月を迎えた謙信も、こんな青空を見ながら、今頃越後は大雪で大変なんだろうなあとか、この時期に越後で青空を見ることなんて出来ないよなあとか、そんなことを思ったんでしょうかね?
一説によれば、謙信はあえて冬場は遠征して現地で兵糧調達をして越冬し、本拠地越後の経済的負担を減らそうとしていたのではないかと言われております。でも厩橋のこの青空を見ていたら、謙信はきっと単純に、太陽の下で晴れ晴れした正月を迎えたかっただけなんじゃないかなと思えました。


群馬県庁展望室からの眺め


厩橋城
群馬県前橋市 群馬県庁内


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