京大阪奈良滋賀放浪記 2009年9月23〜26日 その1

9月23日

安土城〜信長公の夢の跡〜

あれだけ有名な城だというのに、観光施設っぽいものが何もないと言っていい。駐車場から城跡入り口まで、みやげ物屋のひとつも無いし、入り口には申し訳程度に入場券が売ってるだけの掘っ立て小屋が一軒建ってるだけ。しかもロクにみやげのひとつも売ってやしねえ。・・・だがそれがいい。なまじ近代化された観光名所になっていないからこそ、当時のふいんきがよく出ていて、つわものどものゆめのあと感がハンパ無く漂っている。

てことで入場券を買って関所をくぐってみると、まずは見上げるだけでウンザリするような石段が続いている。信長様やその手下共は、なんかあるたびにいちいちこんな急な坂道を登り降りしていたのかYO!と呆れながらその幅5mほどの石段を登って行くと、いけどもいけども景色も石段も全然変わりません。アタシなんぞ根性無しは5分で汗ダラダラでヘバってしまいます。まったくもって信長様やその配下は(略)そんなこんなでへーこら言いながら15分ほど歩いて、ようやく開けた場所に出てきました。



果てしない石段


どうやらココが頂上らしく、この広さはほんの25mプールの半分ほどのその空間こそが、安土城天守閣の一片だったんですね。その信長公の夢の跡から下界を見下ろしてみると、颯爽と茂る林の間から、琵琶湖の姉妹湖であろう西湖と平原が広がります。また、この安土城のある安土町は、あたり一面田んぼばかしで民家はあんましありません。なればこそ、信長公もこうして安土の町を見下ろしながら天下を窺っていたんだろうなって思うとなんか涙出そうになりますた。



下界を見下ろせば


この安土城の天守跡地、みやげ物屋どころか自動販売機はおろか石碑のひとつも立っておりません。ただ崩れた石垣の上から、開けた景色が見えるだけ。・・・だがそれがいい。信長公の夢の跡はずっとこのままそっとしておいてほしいものです。



天守跡地


安土城跡 

名神高速道八日市ICから15分。駐車場500円 入城料500円


なお、安土城跡から車で5分くらいのところに信長記念館および史跡館がある。
信長記念館は、安土城の4層5層の実物大レプリカが最大の見もの。でも再現度はすごいと思うがただそれだけって感じもする。確かにすごいとは思ったがなんか感動はしなかったな。史跡館の方は、戦国関係のものはあまり無く、弥生時代の銅鐸だのなんだのといったものばかし展示されててあまり面白くは無かった。


入場料は、両方セットで900円だったかな?


都路里(つじり)高台寺店〜行列の出来る抹茶パフェ〜

祇園高台寺のドまん前。何気にここ「ねねの道」は超観光地っぽく、連なる石垣のかたわらに人力車がワラワラ並んでおります。その人力車の連なりを抜けたところに、何やら美味しそうなのぼりが立つ門が。中を覗いてみると、そこには綺麗なサラ石の絨毯がしきつめられ、和傘の下に長いこしかけのある絵に書いたような峠茶屋の風景がありました。どうやらここが目的地のつじり高台寺店のようです。吸い寄せられるように中に入って行くと、峠茶屋の奥にはちゃんと普通の喫茶店スペースがありました。

席数は全部で6個くらい。アタシが行ったのは閉店間際だったので、幸い一つだけ4人ボックス席があいておりまして、和服の祇園ねーちゃんに案内されて、男一人で4人席を占領するはめにあいなってしまいました。周りを見ると、そこはやはり有名な甘味処のこと。カップルと若い女二人組とかそんな客しかいません。そこに迷彩パンツにGIカバンを持った男一人の客が一人ってのはかなり恥ずかしかったです。しかも注文したのは抹茶とお菓子のセットと高台寺特性パフェと来たもんだ。・・・もっとも、ココには最初からこんなメニューしか無いから、何頼んでも男一人では違和感あるんですけどね。もしも潜入指令を受けていなかったら絶対こんなことはしなかっただろうなあ。そう考えると、やっぱり人の意見を聞いてそれを試してみるってのは楽しいものなんだなと改めて思いましたよ。だって自分だけで計画立ててたらこんなこと絶対やらなかっただろうからね。指令を下してくれたレイちゃんには本当感謝しておりますわ☆

ってことで、都路里パフェ&抹茶わらび餅のセットなんですが、さすがに有名な店のだけあってうまかったですね☆ まずはわらび餅なんだけど、ごめん今までアタシが食べて来たものはなんだったの?とろみが全然違うじゃねーか!うーんと・・・こにょこにょ感とでも言うのかな? 今までにまったく味わったことの無い食感で食べててすごく気持ちよかったです。
で、抹茶パフェの方は、中に入ってる抹茶ゼリーが激ウマい! これまた味もそうだがなんとも言えないトロトロ感がたまんねえ。抹茶アイスの方もあずきとの組み合わせが絶品でアホうまいし、パフェってこんなに和風でもうまいんだなって感激しますたよ。
あと特筆すべきはほうじ茶のウマさ。ココではとりあえず最初にお冷代わりにほうじ茶が出てくるんですが、これがまた絶妙な香ばしさでたまりません。これだけ一杯400円とかでも全然普通に飲みたくなるおいしさでしたわ。アタシが飲んだのは夕暮れ時だったけど、これのアツアツのやつを、ギラギラ太陽の真夏日に飲んだらさぞかし美味しいだろうなって思いました。



都路里パフェと八坂セット それぞれ1050円


・・・とまあとても大満足なつじりだったけど、やっぱり迷彩パンツな男一人で4人ボックス席独占しているのはやなり恥ずかしかったですね。・・・だがそれがいい?


余談:次の日、同時刻頃につじりの祇園本店に行ってみたら、20人くらいの行列が出来ておりました。外から見た感じでは、高台寺店の方が断然ふいんき良かったと思うけどなあ・・・なお、営業時間は本店が22:00までで高台寺店は18:00までとなっているので、そういう関係もあったのかなと思いますが。


つじり本店 阪急河原町駅から徒歩10分。
高台寺店はそこから更に徒歩10分。
河原町駅は、JR京都駅から徒歩30分くらいかな?

グルメ度/★★★★

9月24日

あいりん地区〜危険な領域より生還せよ!

ヤバイヤバイやっぱりヤバイ! ココが平成の日本だなんて信じられん!! 何処の日本にバラックと掘っ立て小屋と生活雑貨を道端にバラバラ並べてる露天なんてのがあるんだYO!



あいりんメインストリート


道ばた何処を見回しても乞食と浮浪者紙一重な連中しか歩いて無いし、普通に道路で寝てるオッサンとかいるし、しかもみんな目が死んでやがる。だいたい小学校のすぐ裏の通りにゴザ敷いた露天がワサワサしてて、ひたすらメガネだけが並べてあったり拾って来たような電動工具ばかりが並べてあったり、カップヌードルとかママレモンとか普通の生活雑貨が積み重ねられてたり、しかもそれ売ってるのが髭ぼーぼーの小汚いじいさんばっかりとかっておかしいだろ。またある通りに行って見れば、道端がひたすらビニールシートで覆われたバラックばかりが並んでいてだ、その中がみんな一杯カウンターインスタント居酒屋ってのもありえねえ。あそこで飲むくらいだったら東南アジアの露天で怪しい焼き物食った方が安全そうだぜガクガクブルブル。



怪しいバラック露天街


また、西成警察署を取り囲むように、何やら長い行列が出来ていたので、いったい何かと後を追ってみると、その行列は警察署の隣の公園まで続いておりました。推理するに、この公園で炊き出しか何かをやっているんじゃないかと思いましたが、公園の中まで確認に行くことは流石に怖くて出来ませんでした。



勤労者福祉センター


※写真撮るのかなり怖かったです。
なんとかカバンの陰からコッソリと隠し撮りした命がけ?の写真なんで、あまりイイ写真ではありませんが、ご勘弁ください。


JR新今宮駅から徒歩まもなく

危険度/★★★★★


海遊館〜憧れのジンベエザメ〜

大阪港に聳え立つ、エヴァ第五の使途ラミエルみたいな怪しくデカいキューブ状の建物。なんでこんなにデカく高く変な形をしてるんだ?と思いながら入り口をくぐって奥まで潜ってみると、その理由が分かりました。そう全てはこの海遊館の王者にして覇者にしてスーパーアイドル、ジンベエザメくんのためのものだったのです。

この海遊館、別にジンベエザメなぞいなくても、普通にデカくて色んな魚がいて設備が凄くて新潟のマリンピアなぞより面白いと思うのですが、・・・ゴメン、ひとたびジンベエザメ様とイトマキマンタが目に入ってしまうと、他の魚やラッコやペンギンやアザラシなんぞ本当どーでもよく思えてしまいます。

この水族館の構造は、まず真ん中に、端から端まで10数メートル、深さ9メートルのドでかいメイン水槽があって、その周りを螺旋階段のようにグルグルと下ってくる見学通路があり、その螺旋の外側に、メイン以外のいくつかの水槽が配置されるという構造になっております。なので最初に螺旋を下ってくるときにはまだメイン水槽が目に入らないので、サイド水槽にいる魚やラッコなんかにも凄い凄いと人だかりが出来ているのですが、ひとだびそのメイン水槽のジンベイくんが目に入ってしまうと、その瞬間よりサイドの水槽はまるでどうでもイイ存在になってしまい、みんなひたすらジンベエザメとイトマキエイ、その他とりまきをカメラで追うことになってしまうのです。



デカいっしょw


かくいうアタシもその一人。最初はサイド水槽をパシャパシャ写真撮りながら、こりゃあいくら写真撮っても撮り足りることねーななんて思っていたのですが、アタシの視界にあのゴマダラ模様の巨大な姿が入った瞬間、もうその虜になってしまいましたよ。5mはあろうかという巨体がゆらゆら舞う姿がとにかく美しかわいい。しかもコイツがエラく気まぐれなヤツで、あっちゆらゆらこっちゆらゆら、一度たりとも同じ姿勢で泳いでいること無いんじゃね?ってくらいにのんびり屋さんで目が離せないんですよね。また、ジンベエザメさえいなければ、間違い無くこの水槽のナンバー1を張れたであろう準スーパーヒーローのイトマキエイとのコラボレーションも美しく、また更に、ジンベエとイトマキエイさえいなければ(略なシュモクザメやら何やらと、とにかく色んな組み合わせが見れたりで、もう目が離せません。それからはもうひたすらジンベエザメの色んなシチュエーションの写真を撮ることに没頭しておりました。



お供を沢山引き連れたジンベエさん


また、いかんせん水槽がデカいので、今自分が見ている場所から正反対に行かれると、ジンベエの姿が全く見えなくなったりすることがあり、かと言ってそれじゃあ今ジンベエがいる場所に移動したりしても、また気まぐれなジンベエのことだから、その後の保障が無かったりなんで、ひたすらジンベエが来るのを待っていたりとかってなっちゃうんですよね。でもそうしてジンベエが来るのを待っている間に、イトマキエイやらチョウザメやら何やらと言った怪しい連中が俳諧してきたりもするんで、ぜんぜん退屈することも飽きることもありませんでした。
とまあさっきからジンベエジンベエうるさいところではありますが、他にも準エースのイトマキエイをの筆頭に、マンボウやらウミガメ、クリオネやらと、なかなか見所があって面白い連中も沢山おりますので、ジンベエ抜きにしても凄く楽しい水族館でありました。



ナンバー2のイトマキエイさん


なお、アタシが来たのは9月24日という連休の谷間の平日だったのですが、まずまず人が入ってました。ジンベエが登場する前の水槽のは、人だかりワサワサでちょっと待たないと見ること出来なかったですからね。もっとも、ジンベエ水槽が現れるや、その他水槽は簡単に見れるようになりましたけれどね。ジンベエ水槽はとにかくデカいために見れる場所も沢山あるから人が分散して、基本どこからでも見ることができました。でも果たしてこれが休日真っ只中だったらどうだったかは分かりませんけどね。


JR大阪駅から環状線で弁天町駅へ。
JR弁天町駅から市営地下鉄に乗り換えて大阪港駅下車徒歩5分。


道頓堀 串カツだるま〜ソース2度漬けはあきまへんで!〜

大阪難波駅近辺の、いわゆるミナミのド真ん中と言ってイイ場所に位置する串カツの老舗所。

アタシが行ったのは午後3時頃とハンパな時間だったんで、すんなりカウンターに座ることが出来ました。メニューを開いてみると、当たり前と言うかなんと言うか、串カツ以外のものは全くと言ってイイほど存在していません。寿司屋のお品書きみたく、串の単品ネタとセットもばっかしで、あとは申し訳程度につけ合わせのお新香程度が書いてあるだけ。とにかくココに来たからには、串カツだけを味わって食って行け!って感じです。正直アタシ的には、ライスのひとつでも頼んで、ちょっと遅いランチとシャレこもうと思っていたのですが、こう来られては仕方ない。覚悟を決めて?串カツ道頓堀セットを頼むことにしました。



店の前には気合の入ったオッサンがw


すると串カツが出てくる前に、まずは目の前にドン!と生キャベツだけが入ったボールが置かれます。そういえば串カツとは間にキャベツを食べるもの。でもこのキャベツの場合、どうやらまずはソースを味わってみてくれって意味合いもあるらしく、カウンターの注意書きのところに、「キャベツは手で取ってソースにつけて食べてください」みたいなことが書かれておりました。ってことで早速キャベツを手にとり、2度漬け厳禁!のソース箱の中に浸してみると、あれあれ以外なことに、ソースにはドロリ感がぜんぜん無く、サラリとしたウスターソースのようなノリではありませんか。あたしゃてっきり串カツ屋の据え置きソースなんぞはドロリとしたヘドロのような怪しいモノを想像していたんでちょい拍子抜けです。それでもやはり流石有名所の串カツ屋のソースだけあって、キャベツを浸して外に出してみると、何やらとても美味しそうな輝きを発しておりますた。・・・で、肝心のお味の方はやっぱりウマイ☆ ウスターソースの甘みの部分だけを取り出して更に厳選して美味しくしたみたいな感じです。ついついこのままキャベツだけをパクパクやっちまいそうになりましたが、このキャベツはやはりカツの合間に食べるもの。手を出したくなるところを我慢していると、まもなく串カツセットが運ばれて来ました。



道頓堀セットとキャベツ。奥にあるのがソース。


アタシの頼んだセットは9本1400円だったかと思いますが、豚、カツ、つくね、もち、アスパラ、チーズちくわ、うずら、エビ、ウィンナーだったかな? とにかくひたすら揚げ物ばかりが続く訳なのですが、この絶妙な甘さのソースと付け合せ生キャベツの魔力のおかげで、ぜんぜん胃もたれも飽きも来ません。なるほどこれなら確かに、串カツ以外のメニューなんざいらねえなあと感心してしまいましたよ。それから串カツの代名詞とも言える?ソースの2度漬けについてなのですが、これ普通にドップリ浸してしまえば、2度漬けなんてするまでもなく、よーーーーく味が染み込んで来るぞ? これを2度漬けするヤツってどんだけソース好きなんだよ!ってのがアタシ的感想かな。って言うかむしろ、串カツはどっぷり漬けたソースをいかにうまく切るかの方が大事かなって思いますた。あと重要なのが、間にキャベツをはさむタイミングかな? くれぐれも最初に調子こいてソース生キャベばっか食べないようにご注意のほどを。



道頓堀。水は結構綺麗でした。


梅田駅から市営地下鉄に乗り、なんば駅から徒歩5分。そこからもう5分ばかし歩くと道頓堀。
梅田駅とJR大阪駅は場所一緒。

グルメ度/★★★★


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