小牧山城 〜戦略の要衝〜 (2013.9.17)

羽柴秀吉と徳川家康の天下分け目の大決戦・小牧、長久手の戦いの舞台となった小さな山です。
小牧、長久手の戦いについては過去に天下人物語にて書いたところでありますが、もう一度簡単に説明すると、秀吉軍は美濃(岐阜県)方面から尾張・三河(愛知県)を拠点とする徳川軍を攻めようとした戦いです。秀吉の動きを察知した家康は早速この小牧山城に兵を進めて秀吉軍に睨みを利かし、この「戦略の要衝」である小牧山城を一足先に奪われた秀吉はいたく悔しがったと言われております。
秀吉、家康という二人の天下人がそこまで欲しがった小牧山とはいったいどれほどの山なのか? それを見るべく足を伸ばしてみました。


これは一目瞭然

なるほどもうこれは論ずるまでもありません。紛れも無く戦略上の要衝でしたよ小牧山は。
アタシは過去にいくつもの山城を登っておりますが、遠目でも一目でこれが目当ての城だと分かったのは、この小牧山城と岐阜城くらいなものです。
そもそも山というものは、都市の部にポカンと一つ立っているというのはとても珍しく、フツーは峰々な山地になっているものですよ。で、アタシが過去に探索した山城とは、そんな山々な中でも特に見晴らしのイイ山に建っているというのが大概のパターンなので、遠目には何処が目当ての城なのかは分からないことがほとんどなのですよ。でもこの小牧山は、5kmくらい離れた先からでも一目で場所が分かったのですから。


町のド真ん中

なにしろこの小牧山の登山口のまん前は、小牧市役所の本庁舎なのですよ。市役所と言えばフツーはその都市のド真ん中にあるものです。小牧山とはそんなド真ん中にひょっこり聳え立っているうえに、思いっきり名古屋市の入り口付近の見張り台のような場所なのですよ。そりゃあ家康と秀吉が躍起になって欲しがる訳です。


眼下は一目

登って見た感じも、なんでこんなに疲れる(略)な山ではなく、丁度イイ感じに築城陣立てが出来そうな地形です。見晴らしはイイし兵も綺麗に配置できるしで、正に前線基地を作るためにあるような山ですね。


なかなか立派だ

標高100mもなさそうな山頂には、こんな模擬天守閣博物館が建っております。アタシ的にはそんな建物にも中身にも大した興味は無いのですが、そのてっぺんからの景色だけは是非とも見たいと登ってみました。そのとき撮ったのが↑の写真です。

今から500年前に、この場所から秀吉軍を見下ろしたであろう家康はどんな気持ちだったことでしょう? 戦略の要を押さえたことによって勝利を確信していたか、あるいはウンカのごとくな秀吉の大軍を見て、やっぱりケンカを売ったことを後悔していたのか・・・そんな想像が出来ればこそ、城巡りは止められないのですよ。

小牧山城
愛知県小牧市 小牧市役所まん前


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