北熊井城 〜近所の見知らぬ大城郭!〜 (2020.5.4〜6)

戦国時代の日本にはいったい、いくつくらいの城があったのかと言えば、数千!・・・あるいは数万!!の城があったのでは無いかと考えられております。
現在筆者が居住する信濃国は、もともと弱小戦力が群雄割拠していただけあります。筆者の家から車で30分以内の範囲で筆者が知っているだけでも、5つほどの山城が存在しております。
今日はその近所のお城の一つ、北熊井城に行ってきました。


北熊井城?聞いたことねーw

この北熊井城、筆者が日常生活においてよく通る主要県道に看板があるのですが、ついぞ今まで訪れようと思ったことはありませんでした。
それは筆者が城探索をしようと思うかどうかの基準

1. 筆者の知っている攻防戦があった城
2. 筆者の知っている戦国武将がいた城

に合致しなかったからです。
でもそれをなぜ今回急遽攻略しようと思ったかと言えば、

1. 最近コロナ自粛のために史跡探訪ができていない
2. 遠目に綺麗な花が咲いているのを見つけたw

という理由です。
もっとも筆者は、以前にココ&チップのコーナーで紹介した福与城のように、たとえ城歩きであっても、それが花見など別の目的で訪れた場合は城探索にはカウントしておりません。
ってことでこの北熊井城も、エミールルールによれば城探索ではないはずなのですが、いざこの城を探索してみたところ、そんなふうに切り捨てるにはあまりに惜しい城跡だったのです!


これ結構すごくね?

そうなんですよこの北熊井城、空堀や土塁、堀切といった遺構の保存状態がすこぶるイイのですよ。


こりゃあ分かりやすい

この写真は西の丸から本丸を見上げたアングルなのですが、その間に深い空堀が掘られており、本丸が一段高い場所にあるというのが一目瞭然ですね。


ここが防御施設の境界線だな

戦国期の山城、特にこのようなドマイナーな城などは、堀切や土塁と言った看板を見かけるものの、崩れかけていたり草木ぼーぼーだったりで、専門家の目で見ないと絶対分からないというパターンが大変多いのです。
ですがこの北熊井城の空堀や土塁は実によく整備されており、筆者のような素人にもその縄張りが大変よく分かるではありませんか。


ではでは本丸に登ってみよう

また、最近あんまし言っておりませんでしが、えてして山城というものは、

「なんでこんなに出入りするのに疲れる場所に立てるんだYO!」

という立地で、(そりゃ防御施設なんだからそうだろ)本丸まで行くのに汗水たらしてぜーはーすることが多々あるのです。
ですがこの北熊井城は、ゆるやかな台地の上に築かれた平山城ですので、すぐさま本丸跡まで行くことができました。


こりゃまた広い

うわあっ、広っ! 北熊井城なんてwikipediaにも載っていないくらいマイナーな城だってのに、なんだこのすげー本丸跡はっ! これは武田勝頼の未完成巨大城郭・新府城にも匹敵するくらいです!


松本の町を見下ろしおべんとうw

そんでもって山城の本丸跡の楽しみは、なんと言っても城下に見下ろす町景色です☆


黄色いお花と鯉のぼり♪

そのうえこの北熊井城、ただでさえ気持ちいい絶景を囲んで鯉のぼりやら綺麗なお花も咲いております☆
えてして山城というものは、おべんとうを持って来ればちょっとした楽しいハイキングコースにもなるのですよ(^^)


山城と言ったらこれっ☆

よっしゃきたー☆THE・土塁w 
これを見なければ山城に来たという実感はわきません☆ これまた最近あまり書いていなかったことですが、戦国時代の山城には石垣はあまり使われておらず、城を囲んでいる壁と言えば土を盛った土塁がほとんどだったのですよ。
という訳で、城の縄張り研究や発掘作業というのはイコール土塁探しだと言っても過言ではありません。土塁というのは山城初心者から上級山城マスターまで、みんな大好き大喜びな山城遺構の基本であり原点なのですよw


こりゃまたきれいな☆

先ほども書いた通り、昨今の山城遺構は草木ぼーぼーで何が何だか分からない保存状態のものが多いです。ですが見てくださいこの北熊井城の空堀を☆ こんなに綺麗に整備されているうえに桜の木まで植えてありました(^^)


しかもこれはっ!

おっとなんとっ!この緑色のヤツをよく見たら、葉っぱじゃなくて世にも珍しい緑の桜、御衣黄の花じゃないですかっ!
日本全国に数千の山城跡あれど、空堀に御衣黄が咲いているなんてのはこの北熊井城だけじゃなんじゃないかと思います(><)


いやー楽しかった楽しかった(^^)

そんなこんなで南北に横断した北熊井城を改めて横から見てみると、きれいに土盛りされた本丸跡と一段低い西の丸跡、その間をジグザグに切られた空堀跡がハッキリ見て取れますね。
過去に50以上の山城を見てきた筆者ですが、この北熊井城の縄張り遺構の分かりやすさはその中でもベスト5には入ると思います。そのうえ疲れないし眺めはイイし花は綺麗だし、遺構とおさんぽ目当てに来るにはかなりオススメな山城跡ですね。


地元の人や研究者の方々に感謝です☆

実のところ、筆者は城オタのクセに山城の遺構跡というものにはあまり興味が無かったりします(^^; なのでいくら土塁や空堀の保存状態がイイとか縄張りが素晴らしいとか聞いたところで、冒頭に書いた条件を満たさない城には基本出撃しないのですよ。
でもでもでも、このように山城跡を発見発掘してくださっている研究者の方や遺構を整備してくださっている方々には常々、尊敬感謝の思いを抱いているところであります。
こういう方々のおかげで戦国史の研究が進み実態が明らかになって行っているのですから。


侮れないぞ!北熊井城

北熊井城は先ほども書いた通り、wikipediaに載っていないレベルのマイナー城であり、その実態や歴史についても、

・どうやら小笠原氏系列の城であったらしい
・武田信玄に攻め落とされたらしい

というくらいしか分かっていないのです。
そんな戦国の渦に埋もれていた小城にもかかわらず、これだけの規模を誇っていたのです。
今回の北熊井城攻略は、筆者に改めて城探索のおもしろさ奥深さを教えてくれました。


北熊井城
塩尻市片丘


※5月6日追記
1km弱ほど離れたところに南熊井城ってのがあることが分かったので行ってきました。



こっちはあまり整備されていません(^^;


縄張りは分かりやすいのですが草ぼーぼー(><)


本丸跡はレタス畑になっていましたw





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