河越城 〜殿は必ず来てくれる!〜 (2011/11/3)

今日は以前に少し紹介した、地黄八幡の猛将・北条綱成ゆかりの川越城に行ってまいりました。
おさらいのためにもう一度簡単に説明すると、北条氏康の勢力範囲最前線にあるこの河越城が、ある日、ライバルというか宿敵の上杉・足利連合軍に8万!の大軍に包囲されてしまいました。当時河越城を守っていたのは、北条氏康の義弟・北条綱成率いるたった3千の兵でした。上杉・足利連合軍は、こんな小城のひとつやふたつ、簡単に落とせるだろうと思っていたのですが、そこはさすがに北条軍団随一の猛将・北条綱成です。巧みな防戦で20倍以上の大軍を相手に一歩も引くことはありませんでした。殿は必ず助けに来てくれる・・・そう信じて。
やがて主君・北条氏康がようやく援軍を率いて駆けつけてきてくれたのですが、その数たったの8000。綱成の兵と合わせても、まだまだ敵の10分の1程度でしかありません。それでも綱成は氏康ならばきっとなんとかしてくれるだろうと信じて決して諦めることはなかったのでした。
やがて氏康は数を頼みに油断しきっている上杉・足利連合軍に奇襲攻撃をかけ、それを見て取った綱成もすぐさま呼応して城門を開き、「勝った勝った!」と叫びながら地黄八幡の旗を掲げて敵陣に突進して行ったのでありました。
この奇襲は大成功を収め、敵軍の大将・上杉朝定を討ち取ったのを始め、敵軍全部で15000もの死傷者を出すという大勝利を収めたのでありました。これが戦国三大奇襲戦に数えられている河越夜戦です。・・・って全然簡単な説明になってないなw

・・・とまあこんな凄い大戦のあった舞台の川越城(もともとは河越城だったが江戸時代に川越城になった)ですが、平城であったがために今では普通に民家が立ち並ぶ市街地になっており、遺構らしい遺構はほとんど残っておりません。それでもやはり北条綱成の大ファンであるアタシとしては一度はこの地を訪れてみたいと思っておりました。


川越城本丸御殿

これが川越城唯一と言ってもいい遺構の本丸御殿なのですが、残念ながらこの川越城は江戸時代に改めて作られた政庁としてのものであり、アタシ的にはそれほど興味を引かれるものではありません。アタシが見たいのは江戸時代の藩庁である川越城ではなく、河越夜戦を耐え抜いた河越城なのですから。


これはイイものがあった★

ってことで本丸御殿には特に中に入ることもなく、アタシはこの河越城のあった近辺を適当に歩き回ってみることにしました。どうやらココいら一帯全部が河越城だったみたいだし、それにこの地図を見ていると、なんとなくではありますけれど、城全体のイメージも沸いてきます。


どことなく城って感じだな

普通の市街地ではありますけれど、道の作りとか勾配が、やはりココは城跡なんだなってことを実感させてくれます。


富士見櫓跡

本丸御殿から5分ほど歩くと、なにやら雑木に囲まれた小高い丘があり、そのふもとには川越城富士見櫓跡と書かれた石碑を発見しました。近くにあった解説看板を読んでみると、これが河越城の戦国期の唯一の遺構であり、天守閣の無い河越城は、この富士見櫓から敵の動向を探っていたとのことです。


さっそく登ってみよう

この丘の高さはせいぜい10m程度なのですが、戦国時代には今と違って高い建物なんかは全く無かったんですから、この丘の上に櫓を築けば遥か遠くの富士山も見通すことが出来たのでしょう。


ふもとを見ても今は民家があるだけ

今となってはちょっと土が盛られただけの丘とすら呼べないようなこの富士見櫓跡でしたけど、それでもアタシには何故か不思議と、この河越城を多い尽くす、ウンカのごとく大軍がハッキリと想像できました。


何もない、だがそれがいい

8万!の軍団を迎え撃つためのメイン櫓が立っていたのがこんな小さな場所だったなんて・・・そう考えると改めて、この小さな城を守りきった綱成とそれを助けた氏康の凄さ、二人の絶大なる信頼関係の凄さが伺えました。


やっぱりなんとなく城跡っぽい?

それから本丸御殿跡をグルリと回るように歩いてみたのですが、ココは単なる市街地ではなく、紛れもなくあの河越夜戦のあった由緒正しい城跡なんだってことが感じさせれる、そんなオーラを放った町だったと思います。


本丸御殿前の公園

さてさてさて・・・本丸御殿から富士見櫓に抜ける途中にある公園で、アタシはどうにも気になる場所を見つけまして、帰りの楽しみの一つに取っておきました。河越の町の持つ独特の城跡オーラをじっくり堪能したところで、次なるお楽しみは・・・


なんか凄いワクワク感がw

子供たちが無邪気に遊ぶ公園のすぐ横にある小さなお店!これってもしかして駄菓子屋さんなのでは!?しかも「やきそば」とか書いてあるし☆ 


うっひゃー

ワクテカしながら中に入ってみると・・・ウホっ!イイ駄菓子屋さん☆ 見たことも聞いたこともないようなやっすい小さいお菓子がいっぱいです(^^)


たのしそー☆

お菓子ばかりか懐かしいオモチャもいっぱいです(><) 銀玉鉄砲にベーゴマ、紙ヒコーキ・・・みんなみんな小さい頃にさんざんお世話になったものばかり☆ このへんのオモチャって、現在アタシが住んでる近辺では全く売ってるのを見かけることの無くなったんで、もう売っていないのかなと思ってました。でもこうして今でもちゃんと製造されてて、今時の子供たちもこれで遊んでくれてるんだなってことが分かって凄くうれしい気分になりましたよ☆


もちろん食べましたよやきそばを☆

うわーおいしー(><) とっても懐かしく、心に何かを訴えてくる、なんていうか駄菓子屋さんの味です☆ このやきそば・・・小学生時分に、そこの公園で思いっきり遊んだあとに、ともだちと一緒になけなしの小遣い銭で思い切って食べたりすれば、きっと至高の味だったんだろうなあ・・・


店内はこんな感じです

メニューがやきそばだけってのがこれまたシブい(><)
ちなみにやきそば焼いていた職人ふうのオジサンと、店内撮影を快く許可してくれたオバサンも凄くイイ人たちでした☆


おみやげいっぱい買っちゃったw

かつての戦国の名残のみならず、昭和のにおいまで残っている川越城跡。なんだかちょっとしたタイムトラベルをしているような気分になれる、とっても不思議楽しい空間でした。


川越城跡

関越自動車道・川越インターから15分


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