米とお酒とスキー場で有名な新潟県・湯沢町に売っている、地元限定販売のどぶろくを買って来い! それが今回アタシに命じられた任務でした。もともと雪深いスキー所の湯沢町ですが、今日はそのうえ大寒波の猛風雪が襲うというダブルパンチな状況です。
マジで前が見えねーぞ
それでもこれは、普段からお世話になってる課長さんの頼みごと。そのうえ行きつけのガソリンスタンドのねーちゃんにも、「おみやげ買ってきてくださいね☆」と笑顔ニッコリ言われているんですから作戦を中止するわけにも行きません。伊達でも酔狂でも冗談でもなく、マジで遭難するんじゃないかとビビリながら関越自動車道をひた走りました。
雪女でもいるんかい(^^;
途中、道路上でひっくり返っている車に遭遇したり、視界5m先まで来てようやく前に車がいることが分かって心臓止まりそうになってブレーキ踏んだり(><)そんなこんなで命からがら走り続けること2時間半で辿り着いたJR・越後湯沢駅は、吹雪と雪壁の世界でした。
この荒れ狂う風雪の中、次なる目標は幻のどぶろくが売っているという酒屋さんを探すことです。事前にチェキした情報によれば、駅から100mほどの場所にあるとのことなのですが、視界は酷いし足元は消雪パイプに溶かされた雪でグチャグチャだし、それより何よりガクブル寒い! その短い3分ほどの距離が、途方も無い距離に感じましたよ(><)
見つけたー☆
おおっ、これが伝説の酒を取り扱うことを許されし、選ばれた酒屋・浪花屋か。駅からたかだか100mほどの距離でしたが、でもむしろ逆に、その程度の距離ですらココまでの苦労を強いられたということで、アタシの中ではむしろその幻の酒に対する期待感が高まりました。
おいしそうな地酒がいっぱい☆
さすがに地元の名店だけあって、珍しそうなお酒がいっぱい並んでおります。そんな店内をキョロキョロワクワク眺めていると、奥から店員のおばさんが出てきてくれました。
「いらっしゃいませー」
「すみませーん、幻のどぶろく買いに来たんですけどー」
「ああ〜・・・すみません、今はちょっと置いてないんですよ・・・あれは基本業務用ですんでね・・・」
ガーン!!!マジかよ!!!おいおいそりゃないでしょ(T
T)
「うーん・・・でもココから車でちょっと走った所にある○○酒屋さんだったら売っているかも? ちょっと待っててくださいね。」
そう言うとおばさんは湯沢の観光マップを持ってきてその店の場所を一生懸命説明してくれました。ああ、なんと親切な(T
T) たとえ肝心のどぶろくが手に入らなかったとしても、おばさんのこの優しさに触れられただけでもアタシは湯沢まで来て良かったと思いましたよ。
「それじゃあ行って来ます。ありがとうございました!!」
そうして店を出ようとすると、奥から店主らしいおじさんが出てきました。
「ん?どうしたの?・・・え?どぶろく?ああ、それだったら今から俺が行って取ってこようか?」
え、マジですかおじさん!!!
「15分くらいかかるけどそれでもいいですか? せっかく来てくれたのに置いて無かったじゃ申し訳ないですからね!」
「あ、あ、あ、ありがとうございます(><)」
なんと!店の人がどぶろくを置いている店まで行って取ってきてくれることになったのです☆
「それじゃあ寒いから、こっちで待っててくださいな。」
そうして店の奥まで通してくれて、お茶まで振舞っていただけました。
「新潟・・・わざわざそんな遠くから来てくれたんですか!」
「最近、どぶろく目当てに来てくれる人多いんですよね。」
「魚沼には他にも美味しいお酒がいっぱいありますよ!」
そんなこんなでお話をしていると、やがて店主のおじさんが戻って来てくれました。
これが幻のどぶろく
うわっ、白い白いとは聞いていたけれど、マジで真っ白なんですねどぶろくって。近くで見てみると米麹がぷかぷかしていて、なんとも酵母な醗酵品感がまじまじ伝わって来ます。なにせ店主のおじさん曰く「コイツは生きたお酒ですからねっ!」とのことですから。
こうして伝説のどぶろく入手作戦は無事終了いたしました。まず今回の作戦で感じたことは、やはり幻の一品を作っているところ売っているところは、それに相応しい秘境なんだなってことでしたね。それから、そんな伝説の品を売ることを許された店というのは、やはり見事なもてなしの心を持った温かい店なんですね。
土地を感じ人を感じ、苦労があってればこそ楽しかった湯沢遠征記でした☆
さて肝心のどぶろくなのですが、一緒に飲もうと約束したお友達の都合によって、実際に飲んだのは5日後の1月31日のこととなりました。逆に言うと、買って来たのは1月26日のことです。
うはあ真っ白どろどろ(><)
結論から言ってしまうと、アタシ的にはあまり好みの味ではありませんでした(^^; 見た目のドロドロ感とは裏腹に、スッキリぴりっと炭酸的な刺激の強い味で、喉とお中でビリビリと暴れるような感覚でしたね。お友達の方は美味しい美味しいと飲んでいましたが、アタシ的には、どぶろくってこんな味なんだなーって分かっただけで十分かなってところです。でもあの日本酒なのにビリビリ痺れる感覚は、ハマる人にはハマるのではないかと思います☆ なお、課長さんにはウマいウマいと感謝されましたし、ウチの母も美味しい美味しいと喜んで飲んでおりますね☆
新潟の地酒・浪花屋
JR越後湯沢駅から徒歩3分
|