黄泉比良坂 〜お前ら本当に神様かよ〜 (2016.9.27 ※2019.9.5追記)

黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)・・・それは出雲の国にある、この世とあの世の境界線です。


この場所で何があった?

この日本という国を作ったのは、イザナギとイザナミという夫婦神です。
イザナミは日本という国の他に何体もの神を生み出した後、最後は火の神を生んでしまい、その炎で焼け死んでしまったのでありました。(なんじゃそりゃ)
さてイザナミを失ったイザナギですが、妻であるイザナミのことをとても愛しておりました。なればこそ、もう一度イザナミに会いたいと、死者の国である黄泉の国まで行ったのです。


この向こうが黄泉の国?

遠い暗い黄泉の道を歩いて行くと、果たしてそこにはイザナミがおりました。


あの道の向こうにいるのは正にイザナミ!

イザナギはさっそくイザナミを連れ帰ろうとしますが、イザナミは黄泉の神に相談してくるからイザナギにはここで待っているようにと言います。でもイザナミのことを待ちきれないイザナギが黄泉の道の奥へと進んでいくと、そこにはなんと!体にはウジがわき、肉体はボロボロに腐りきったイザナミの姿があったのです!

「見たな・・・見いたあなあ!!!!!!!」

己の恥ずかしい姿を見られてしまったイザナミは、イザナギを同じく黄泉の住人してやろう、即ち殺してしまおうとイザナギの後を追ってきます。
イザナギはと言えば、変わり果てた妻の姿に驚き恐れ、慌てて逃げ出したのでありました。


あと少しで逃げ切れる!

イザナギはイザナミが追っ手に使った化け物・黄泉醜女(ヨモツシコメ)に桃の実を投げつけ、そのスキをついてなんとか常世に逃げてきたのでありました。


これでも食らえ!

そして黄泉へと通じる道を大きな岩で塞ぎ、この世とあの世を完全に隔離したのでありました。


もうイザナミも追って来れまい・・・

イザナミ:
「お前の国を絶対に滅ぼしてやる!毎日1000人の人間を殺してやるからな!」

岩の向こうから呪いの言葉をかけるイザナミに対し、

イザナギ:
「だったら私はこの国で、毎日1500人の子供を作れるようにしてやる!」

イザナギはこのように返しました。
こうして地上の人間はどんどんどんどん増えて行き、やがて日本という国になったのです。

それにしても・・・イザナミしかりイザナギしかり、お前ら本当に神様かYO!ってツッコみたくなりません?w こんな威厳の無い連中が日本という国を作ったのかと思うと嬉しいやら哀しいやら・・・
また、この話はアタシ的には日本神話ベスト5に入るくらいの名場面だと思うのですが、果たして日本国民の何%が黄泉比良坂のことを知っていることやら・・・
前にもどこかで書いたことか思いますが、小学校から習う日本史の授業では、まずはこの日本神話から始めるべきだと思いますよ。諸外国では、まずは自分の国に対する愛国心を育てるために自国の建国神話をしっかり教えるそうですが、なぜ日本はそうしないのか・・・
もっとも、こんな連中が日本を作ったなんてのは嬉しいやら哀しいやらなんだか微妙な気持ちになるような気もしますけどねw


黄泉比良坂
島根県東出雲町


2019.9.5 今度は伊賦夜坂?の方にも行って来ました。

3年前に一度訪れた、この世とあの世の境界線・黄泉比良坂。


相変わらずもののしいふんいき

実はこの地にはもう一箇所、伊賦夜坂という黄泉の国への入り口があったのです。


看板にもそう書いてある

でも前回この地を訪れたときには、この伊賦夜坂の方に行くことはありませんでした。
と言うのは、あくまでアタシの目的地は黄泉比良坂であり、伊賦夜坂なんて訳わからない場所に行く必要が無いだろってのが一つ。それともう一つは、そっちの方向があまりに草むら草むらしていてヤバそうなふんいきだったからという2つの理由からでした。
そゆことで3年前はこの伊賦夜坂の方はスルーして黄泉比良坂をあとにしたのですが・・・


この奥まで行くの怖そうだし

・・・でもやっぱり、いったいあの奥には何があったのか? のどに小骨というか奥歯に何かというかな感じでちょっと引っかかるものがあったんですよね。なのでもしいつか出雲方面に行くことがあって、なおかつ時間があれば寄ってみようかなくらいな感じで、気には留めていたんです。
ってことで今回の中国一周作戦にあたり、もちろんこの伊賦夜坂のことも頭にはありました。でも他のメイン目的地を回っていると、この伊賦夜坂に行く時間があるか無いかは微妙です。そゆ訳で今回も伊賦夜坂のことはスルーする計画を立て、またの機会を窺おうと思っていたのですが、でもやはり、いざこの出雲の地まで着てみると、のどと奥歯にちょっとした痛みが走ったのです。
今日も早めに行動を開始していることだし時間ありそうだし、やっぱこの引っかかりは解消して行くか! ということで当初ルートをちょっと迂回して改めて黄泉比良坂を訪れ、気になっていた伊賦夜坂の奥に足を進めることとしたのです。


やっぱぶきみ〜!

さすがは黄泉へのもう一つの入り口です。おどろおどろしさがハンパありません。
どうやらこの怪しい坂の上を上った先が伊賦夜坂らしいのですが・・・


うわー

なんと!伊賦夜坂の果てはガチで危険だから立ち入り禁止区域指定されていたのでした。
・・・だったら最初からそのこと看板に書いとけやー(><)
ってことで、やっぱ伊賦夜坂の方には無理して行く必要も無かったんだなと確認すると同時に、それでもやっぱりスッキリしたなと思いつつ黄泉比良坂をあとにしたのですが・・・

あとで気になってもう一度、伊賦夜坂とは何だったのかを検索してみたところ、伊賦夜坂というのはどうやら黄泉比良坂の別名らしいんですよ。
・・・だったらあっちの怪しい古小道はいったいなんだったのか、結局よく分かりませんw
もしかしたらまた何年か後に、この伊賦夜坂という場所のもつ本当の意味を知り、3たび忘れ物を取りに来ることになるかもしれませんね。

◆◇◆ お便り感想♪お待ちしております(^^) ◆◇◆


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