高遠城 〜つわものどもよ永遠に〜(2010/8/28)

長野県の真ん中よりもちょっと南寄りに位置するこの城は、以前にアタシが書いた武田信玄物語に登場した諏訪一族の高遠頼継が本拠とし、その後は武田勝頼・武田信廉(信玄の弟)を経て、信玄の五男・仁科盛信が城主となりました。

現在の高遠城は、高遠城址公園となっております。小高い丘の上にヒンヤリ涼しく生い茂る木々の間を縫う遊歩道から伊那市を見下ろすことができ、散歩するにはもってこいのスポットです。


涼しい林を抜けて



高遠の城下町


この高遠城…実は壮絶な攻城戦が繰り広げられた大激戦地だったりするんですよね。
以前に書いた武田勝頼物語にて、信玄亡き後、勝頼の勢力をジリジリと削って行った織田信長が武田領に攻め込んだ際、ほとんど抵抗らしい抵抗も無かったと書いていたところでありますが、実は唯一この高遠城だけは別だったのです。仁科盛信守る3000の兵が、信長の長男・織田信忠率いる50000の軍勢に対して一歩も引かず、最後は城兵全員、城を枕に討ち死にし、武田一門の最後の意地を見せたのでありました。


今はただ、木々が生い茂るだけ


静けさや 岩にしみいる 蝉の声。
この芭蕉の句がこれほどしっくり来る場所は他にはなさそうなこの静寂の公園で、かつて400年くらい前にそんな壮絶な戦いがあったなんて到底信じられません。


魂よ永遠に


夏草や つわものどもが 夢のあと。
つわものどもの魂には、この静寂の公園で、いつまでも安らかに眠っていてほしいものです。


高遠城 長野自動車道・伊那インターより30分



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