白旗城 〜南北朝の隠れ英傑〜 (2016.9.25)

播磨国・白旗城は、かつて赤松円心則村入道が拠点としていた山城です。
でもだから言って、まさか街道沿いに赤松円心の里などという看板まで立っているとは思いませんでしたw


播磨の英雄?

さてこの赤松円心という人が何者かと言いますと、後醍醐天皇の鎌倉幕府倒幕に力を貸して大活躍したものの、その後に後醍醐天皇が行った戦後処理においてむしろ逆に領土を取り上げられそうになり、後醍醐天皇の建武の新政に愛想を尽かしてしまったという人物です。
その後は足利尊氏に協力して後醍醐天皇の南朝に敵対することになるのですが、その対南朝戦において重要な役割を果たしたのがこの白旗城なのです。


当時の播磨の中心地?

詳しくは後醍醐天皇物語を読んで頂けたらと思いますが、足利尊氏が京都での南朝での戦に破れ、再起をかけて九州に敗走して行ったときの話です。その尊氏を南朝軍の新田義貞が追撃したのですが、その追撃途中で赤松円心が新田義貞の軍勢を白旗城に引き付けることに成功します。
南朝軍からすれば、尊氏さえ倒してしまえば北朝軍はゲームセットになると言っても過言ではありません。だったら白旗城なんて放っておいて尊氏を追っていればいいものを、義貞はなぜかこの白旗城攻めに固執してしまい、結局尊氏を取り逃がしてしまったのでありました。


なぜそこまでして攻める?

白旗城は、実際に行ってみて分かったのですが、街道からは思いっきり外れたところにありました。しかもこのとおり、放っておいても特に問題なさげな小さな山城です。でもなればこそ、義貞はアタシと同じくこの白旗城を下から見上げ、この程度の城ならアッサリ落とせるだろうってタカをくくっちゃったのでしょうかね?
結局義貞は、白旗城を攻め落とすことが出来なかったうえ、尊氏に完全に再起の機会を与えてしまうことになったのです。
また、赤松円心こそが、後醍醐天皇に対抗するために、かつて鎌倉幕府が擁立した光巌上皇を利用することを考えた人物とも言われております。
尊氏一世一代のピンチを助け、奇跡の政略を考えた赤松円心こそが、もしかしたら室町幕府設立の一番の功労者なのかもしれません。


白旗城
兵庫県赤穂郡上郡町



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