生麦事件 〜ぬか喜びの凱旋〜 (2014.10.26)

生麦事件…なんともインパクトの強い呼び名の事件です。
詳しくは大まかな流れが分かる幕末伝第二話を読んで頂けたらと思いますが、その概要を簡単に説明すると、幕末に薩摩藩の大名行列が通る前を馬に乗ったまま平然と通り過ぎようとしたガイジンを、薩摩藩士が「無礼者め!」と斬り捨てた事件です。


ココがその現場なのか

この現場で斬られたのは3人のイギリス人で、そのうち2人はなんとか一命を取りとめたものの、1人は1kmほど逃げた先で絶命してしまいました。
この生麦事件により歴史は大きく動くことになりました。自国民を訳のわからない理由で惨殺されたイギリスは激怒し、やがて薩摩藩との間に薩英戦争が勃発してしまったのですから。
でもその薩英戦争によってイギリスと薩摩藩は逆に仲良しになってしまい、やがて倒幕の原動力となって行ったのですから歴史とは面白いものですよ。


島津藩の行列もココを通ったんだなあ…

今から150年ほど前に、この下町を通っている何の変哲も無い狭い町内小道において薩摩藩の行列がゾロゾロ歩いて行ったんですね。そしてこの場所で歴史の大きな1ページとなる大事件が起こったんだなあと思うと、胸の奥底がジーンと来てしまいました。


哀れリチャードソン

薩摩藩士に斬られたうちの一人、イギリス商人のリチャードソンは深手を負いながらも、1kmくらいの距離を逃げて来て、やがて絶命したとのことです。その場所には慰霊碑が建っております。


リチャードソンが疾走した道かあ…

生麦事件の現場から、リチャードソンが逃げてきた道をそのまんま歩いてきた訳なのですが、その道中においてアタシの頭の中には、イギリス人ブッタ斬りという攘夷を達成したことで意気揚々に進撃する薩摩藩士の姿が思い浮かびました。
後に強烈なしっぺ返しを食らうことも知らず、薩摩藩士はきっと威風堂々と凱旋したんだろうなあなんて考えると、ちょっとおかしくなりましたね。リチャードソンには気の毒ですけれど・・・

それにしてもやはり、そのとき歴史が動いた現場に赴いたときに味わえる感動ってのは何事にも変えられないですね(><)
正直筆者はココ最近、写真を撮ることばかり考えて、エミール流旅の原点を忘れかけておりました(^^; この生麦事件の現場にしても、当初は「看板一枚建ってるだけだったら大した写真も取れないだろうし、別に行かなくてもいいかな?」なんてことを思ったくらいでしたから…
でもやっぱり改めて、こうして看板一枚しか建っていない現場に来てみたらハッと思い出しました。そういえばアタシの旅の原点は、かつて歴史上の事件があった場所に行ってその景色を見て空気を吸い、当事者の気持ちを想像したら楽しいだろうなということでした。
そういえば今改めてこの生麦事件現場の写真を見直してみると、ココを写した写真がありませんね。ココのことを忘れちゃうくらいに、アタシは生麦事件に思いを馳せることに夢中だったということなのでしょうね。

生麦事件現場
神奈川県川崎市 京急本線生麦駅より徒歩10分


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