但馬播磨縦断記 〜2015年夏休み 9月23日〜 

毎年恒例の夏休み旅行ですが、今年は特にテーマを決めることなく、中国地方の城を適当に見まわる予定でした。

一日目 天空の城・竹田城 → 干し殺しの三木城 → 国宝・姫路城
二日目 七難八苦の上月城 → 南北朝合戦の要衝・白旗城 →呉・大和ミュージアム
三日目 厳島の宮尾城 → 毛利元就の吉田郡山城
四日目 若狭海岸を適当にドライブ

って感じに予定を組んでおり、初日は順調に日程消化できたのですが、次の日姫路のホテルで目を覚ましてみると、なんと!外は雨降りじゃないですか(><)
天気予報を見ても、明日明後日の天気は微妙っぽいので、意を決して作戦を初日で中断することになってしまいました(T T)
という訳で、今年の夏休み旅行記は旅行記と言えるほどいろんな場所を回れたわけではありませんが、初日に回った二つの城と、道中で食べた美味しい食べ物の紹介をさせて頂くこととします。


朝ごはん 富山県・呉羽SAのホタルイカ松前漬丼


イクラもたっぷり☆

富山と言ったらホタルイカです☆ それもボイル蒸しではなくて生ベースの調理をしているのが流石は本場のホタルイカですね☆
ってことでこのホタルイカの松前漬けなのですが、ごはんに妙に合います☆
そこにまた塩加減をうまく中和するオクラが入っているあたへんとても芸が細かくて美味しい丼ものでした(^^)
ということで、今年の夏休み旅行は朝から美味しいものを食べられて、こりゃあ幸先イイなと思っていたんですけどね(^^; でも逆に考えれば、そんな短縮旅程の中でこんな美味しい食べ物に出会えたんですから、これは良かったなと思うことにしておきましょうw

北陸道 呉羽SAのホタルイカ松前漬丼
グルメ度/★★★★


竹田城 〜天空の城と言ってみても〜

この日一番に訪れたのは、但馬の山奥に位置する、別名天空の城とも呼ばれているカッコいい城で、行ってみたい城、行ってみてよかった城等のランキングでは必ず上位に入ってくる名城です。
ってことで行ってきた竹田城ですが、残念ながらアタシ的にはいまひとつヒットしない城でした(^^;


観光地化されているなあ・・・

さてこの竹田城、数年前まではそこまでメジャーな城という訳ではなく、戦国オタ城オタのみの間でだけ有名だったのですが、2014年の大河ドラマ・軍師官兵衛の撮影に使われてから一躍有名になったとのことです。


確かに幻想的でカッコいいな

それまでは城オタ戦国オタが細々訪れる程度だったのが、大河効果で去年になってものすごい数の観光客が押し寄せて来て、しかもそれがなまじガチでカッコいい遺構であるがために、その後も継続して人が訪れているようです。


こんな山奥になぜこんなに石垣が!

大河ドラマの軍師官兵衛における竹田城は、そのものずばりの竹田城として登場したわけではなく、石垣山一夜城のセットとして使われたそうなのですが、なるほど確かにこれはそういう使い方をするにはピッタリですね。


ふつうに景色もいいんだよなあ

でも実際の竹田城がどのような城だったのかといえば、正直よくわかりません。
石垣が作られたのが戦国末期であることは言うまでもありませんし、歴代城主もぱっとしない人ばかりです。確かに城そのものは超カッコいいしマジパネなんだけど、やっぱそういう城の本丸跡に上ってみても、何も感じ入るものはありませんでした。

とは言ったものの、やはり高い山の上にこんなマジパネな石垣群があるのは凄いです。史跡的な価値はものすごく高いでしょうし、国宝級だと思います。
アタシのように、変にスネた歴史オタではなければ、この天空の城の石垣群には物凄い感銘を受けるのではないかと思います。

竹田城
兵庫県朝来市 播但自動車道 和田山インターそば


山上で食べた但馬牛弁当

さてこの日のお昼は、途中の道の駅で発見した但馬牛の弁当です。
これを天空の城で下界を見下ろしながら食べたらさぞ美味しかろうなと思って買って行ったのですが、天空の城はとにかくロープがびっしり張り巡らされて入れる場所制限がされていて、いいランチポイントが見つけられませんでした・・・
ってことで途中の道端のベンチで食べた但馬牛弁当、味はまずまずだったけど、道行く人の視線が気になってあまり味わった気になれませんでしたね(^^;


三木城 〜天才軍師最後の舞台〜

次に訪れたのは、かつて羽柴秀吉が干し殺し戦法などという身の毛もよだつ包囲網をしいたという大籠城戦のあった播磨の国人・別所長治の居城です。


この地で壮絶な死闘があったのです

別所長治はもともと織田勢力下の国人だったのですが、もろもろの事情によって信長に対する不信感が高まり、ついに離反して三木城に籠城するに至ったのです。


なかなかどうしてイイ立地

別所氏自体は国人レベルで大した勢力ではないのですが、この三木城は川を横にした小高い丘の上に建っており、結構な防御力を誇っております。そのうえ三木城には他の反織田勢力も結集し、なんと!7500もの大軍となったのです。


兵力ギッシリであったであろう本丸跡

多勢に堅城ではまともに戦っても勝てません。そこで秀吉は三木城周りの商人から高値で米を買い占めて、更に蟻の這い出る隙間もないくらいの包囲網を敷いたのです。
そうなると巨大な兵力というのが戦力ではなくむしろ弱点となってしまいます。たくさんの城兵で溢れる三木城はたちまち兵糧が不足して、飢餓地獄に陥ってしまったのです。


あなたはよく頑張りました

それでも三木城は2年もの間持ちこたえることが出来ました。
最後は城主・別所長治が切腹することにより、城兵は助けられることになったのです。


天才軍師ここに眠る

この三木城包囲戦の最中に、最終的な勝利者となった秀吉にも、大きな不幸が訪れました。
それは天才軍師・竹中半兵衛の死です。もともと病弱だった半兵衛はこの三木城包囲戦の最中に病を発し、秀吉からは病気療養のためにと京都に返されていました。
でも半兵衛は己の死期を悟ったのか、重い体を引きずって三木城包囲中の秀吉の元に戻って来たのです。


半兵衛、秀吉陣所に再び

結局半兵衛は三木城包囲戦の結果を見ることなく陣中で没してしまったのですが、きっと味方の勝利と秀吉の大躍進を信じていたのではないでしょうか?


半兵衛のためにもあの城を落とす!

1年以上にも及ぶ攻城戦です。包囲された三木城方が苦しかったのは勿論ですが、秀吉方とて決して楽な戦ではなかったことでしょう。
この三木城干し殺し戦法は、もともと半兵衛の献策によるものだったと言われております。
志半ばで死んでしまった半兵衛のためにも、秀吉は今一度気を引き締めて己を奮い立たせたのではないでしょうか?


戦い終わって・・・

それにしても改めて秀吉陣所から三木城を見上げてみると、三木城城下は平地の農村地帯であることになんとも皮肉を感じます。
城下でたわわに輝くこの黄金色の田園風景を、あの世の秀吉と長治に見せてあげたらどんな思いを抱くことでしょうね?

さてアタシがこの三木城を訪れたのは、平日ド真ん中の夕暮れ時のことでした。
細くて分かりにくい商店街を抜け、まともな案内標識も無い中でようやく三木城跡と言われる上の丸公園に辿り着いてみると、何やら案内板の後ろから威勢のよい講釈が聞こえてくるではありませんか。
なん・ニこの三木城跡にはいつもボランティアの歴史案内人がいるとのことで、この日も三木城を訪れた観光客相手に三木城攻防戦のことを説明していたのでした。2枚目の写真に移っている真ん中の案内板の裏をよく見ると写っております。
また、2枚目の写真、一番右側の案内板の前には、一人の女性が食い入るように解説を読んでおりますよね。どうやらこの女性もアタシ同様に一人、古城めぐりをしているようでした。(今にして思えば、なんか話しかけておけばよかった!)
先ほど訪れた、別に歴史好きでも何でもない一般人がワラワラ溢れていた竹田城とは何とも対照的でしたね。
もちろんアタシは、歴史好きでも城好きでもないヤツは城を見に来るななんて言う気は全くありません。でもやっぱり、こんなマイナー史跡で自分と同様の趣向を持つ人を見かけたときは、何か嬉しい気分になります。

三木城
兵庫県三木市 神戸電鉄粟生線 上の丸駅駅そば

姫路城 〜さすが国宝だけあってカッコいい〜

まさか姫路到着がこんな夜になるとは思っていませんでしたので、遠目に眺めることしか出来ませんでした(^^;


ライトアップ白鷺城

もっとも姫路城はもともと時間が余ったら見に行ってみようくらいにしか思っていなかったので、この三の丸公園からのライトアップを見れただけでも満足しましたけどねw
さすが国宝白鷺城と言われるだけあってちょーカッコ良かったですし、石垣や郭輪の作りがものすごくしっかり頑丈なことも分かりました。戦国末期から江戸初期にかけての大大名が本気で作った城の凄さを十分堪能出来ました。

姫路城
JR姫路駅から徒歩15分

姫路駅・タコピア 〜庶民の味とはかくあるべし〜


明石風たこ焼き&イカ焼き&おでん

この新潟では見かけない明石風たこ焼きってヤツ、めっちゃうまかったです(^^)
店のおばちゃんに食べ方聞いたら、出汁につけてもふつうにソースで食べてもどっちも美味しいんで半分ずつやってみてと言われたのでそうしたところ、どちらの食べ方でも甲乙つけがたい美味しさでしたね☆
たこ焼き自体も、トロトロしているんだけど水っぽいわけではなく、もちろんコナコナ感はまったくないという絶妙な焼き加減でした(><)
左下にあるタコスみたいなのはイカ焼きってヤツで、これまた歯ごたえ焼き加減がバッチリでとても美味しかったです☆
そんでもって左上のおでんを見てもらえればわかるとおり、このタコピアはバリバリガチガチの庶民ファストフードですw 作っているオバちゃんたちも、大ベテラン感満載ながらも、職人なんて言うほどカタい感じではなくて親しみが持てました。


こんなお店ですw

だがそれがいい! やっぱタコ焼きなんてのはお手軽気軽にファーストフードで食べるから美味しいものですよね(^^)

姫路タコピア
JR姫路駅地下街

グルメ度/★★★★

以上、終了となった訳ですが、こうしてみるとたった一日だけの旅でも結構充実していたんですね。

アタシ的にはガチガチ観光地の竹田城よりも、特に何が残っている訳では無いんだけど、名残りと空気を重く感じられる三木城の方が行って良かったなと思います。
また、アタシ的に大満足だった姫路タコピアにしても、名物とか観光とかってわけではなくて、たんなる駅中の庶民ファーストフードです。実のところ当初、この日の晩御飯は瀬戸内海の海の幸が存分に楽しめる寿司屋に行こうと思っておりました。
でも不幸中の幸いというか何というか、事前にチェックしておいたはずのその店を見つけることが出来なかったので、仕方なくこれまた時間があったら寄ってみようかくらいに思って入ってみたタコピアに大満足できたわけですから。改めて今思うと、この日の晩御飯は明石の高級海産物などではなく、タコピアの明石風たこ焼きを味わうことが出来て本当に良かったと思いますよ(^^)
さてこうして今回の旅を終えて思ったことですが、やっぱり旅の楽しみというのは観光地を巡ることではなく、空気を感じるものなんだなあということですね。
来年こそは今年行きそびれた安芸巡りをするつもりですが、今年同様、行く先々の土地の空気をいうものをいっぱい感じてきたいものです☆


戻る

inserted by FC2 system